日本と中韓の歴史教科書問題
今更ですが北海道の教組が教科書の展示会を開いていたらしいです。
しかも例の『新しい歴史教科書をつくる会』以外の教科書を展示し、この教科書に対しては
不採択を呼びかける用紙まで持ち出す始末。これが本当の民主主義社会なのか?と疑問に思
ってしまう。
こんなニュースを聞くと教科書採択の季節がやってきた実感がわいてくる。札幌市教職員組
合が現在採択手続き中の中学教科書の見本の展示会を行っていた。教員への見本の配布は禁
止されているから、明らかにルール違反だ。
▼それも、なぜか扶桑社の歴史・公民教科書だけは展示されず、かわりにその不採択を求
める署名用紙などが配られたという。やれやれ、四年前の騒動が思いだされる。中国、韓国
の批判をわざわざあおるような新聞の社説あり、教育委員の自宅への脅迫電話あり、果ては
放火テロまで。
▼ことわっておくが、弊紙は扶桑社教科書に関与していない。筆者もこの教科書の採択を
呼びかける立場にはない。ただただ、民主的なルールのもとで公正に教科書が選ばれること
を望むばかりである。
▼そもそも札幌市教組がコソコソ展示会を開かなくても、検定に合格した中学教科書は全
国八百十カ所の教科書センターで誰でも見比べることができる。日時や場所は各都道府県の
教育委員会に問い合わせればいいだろう
▼それさえ面倒という向きには三浦朱門さん編著の「全『歴史教科書』を徹底検証する」
(小学館)が便利だ。八社の教科書の記述を細かく分析して「地球市民的発想に立った教科
書だろうか、それとも日本の歴史と伝統に立脚した教科書だろうか」一目瞭然(りょうぜ
ん)となるように工夫されている。
▼お気づきかどうか、毎日新聞の販促ポスターはいま、こう呼びかけている。「主張を押
しつける新聞はもういらない」。どの新聞のことを指しているのか見当もつかないが、広く
議論を、という趣旨には大賛成だ。まずはイデオロギーを振りかざし、特定の教科書を排除
しようとする新聞、団体に対して筆誅(ひっちゅう)を加えていただきたい。
どの教科書を採択するかと言うことは自由でなければならないと思う。私は人に物事を押し
付けることがジャーナリズムだとは思わないし、もしそのような新聞があるとするならばそ
れは本当の意味での新聞ではなく非常に薄っぺらな自己主張の場でしかない。
ニュースを客観的、公平、迅速に分かりやすく伝えることの方が大切だ。マスメディアは一
部の人のために存在するわけではなく国民ないし世界のために存在すべきだと私は思う。